なっちののほほん小説★

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zoom RSS 小説第一弾〜(●^o^●)

  作成日時 : 2006/12/03 20:15  

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 えと、まず第一弾です!
これゎ、すご〜く昔に作った作品を、すこしアレンジしてみました!
自分的の評価ゎ、こんなもんですかね。★★★☆☆星3つ〜!
でゎ、ドウゾ・・・。
   第一話
             作 なっち
主人公・・・三枝 千夏(12) 中学一年生。通称“ちー”
友達・・・ 上島 正美(12) 同じく中学1年生。ちーの友達。通称“まーちゃん”
母・・・  三枝 光江(41) ちーの母親。
      
 「お父さぁぁん!!お父さんっ!!ねぇ、目を開けてよ!!」
母は、いつもにも増して、クールで冷静になって、涙ひとつ見せない。
千夏は、こんな母親なんて鬼だと思った。小さい頃は、優しかった母・・・。
幼稚園で、私がさびしくて泣いていた時も、他の男の子達にいじめられていたときも、
母はすぐ駆けつけて、無言でそっと頭をなででくれた・・・。
あの優しい母は、今どこに行ってしまったの!?
 小学校に入ってからというもの、母の態度が、少しずつ変わってきた。
もしかしたら、もう幼稚園の時ぐらいから、少しずつ私の周りが変わってきていたのかもしれない。でも、まだ幼かった千夏は全然感じていなかった・・・。
 今日の朝までは、いくら冷たい空気の中だったとしても、今にしたらまだ幸せだったと思う。“天国だったかもしれない”とまで思う。
でも、今は地獄に落とされた。
千夏のお父さんは、近所でも“ニコニコおじさん”というニックネームがつくほど、
笑顔で優しい人だった。そんなお父さんが・・・今ではこんなにも無表情で、
凍ってしまったように冷たい。千夏は涙があふれ出した。
 母にしかられて、2時間も自分の部屋にとじこもった時、お父さんは自分のお仕事もあるし、
睡眠時間も少ないのに、ずっと私のそばにいてくれたんだよね・・・。
あの時は安心したな〜・・・。
 お父さんからは、たくさんの思い出をもらった。それに、私には強い味方のまーちゃんがいる。
そう・・・まだ私は大切なものを持っているんだ・・・!

お父さんが亡くなって、1週間が過ぎました・・・。
お母さんというと・・・。全然変わっていない。それどころか、もっと冷たい目となった。
今日の朝も、大変だった。母は、朝からお酒を飲む。そして、グチをブツブツとしゃべる。
小さく、暗い声で話していたので、何を言っていたかは分からなかったが、
母は、日々つらくなっていくのではないかという気持ちがうかんだ。
ポーっといろんな事を考えていたら、母に「暑苦しい」とのけものにされたあげく、
「洗ってよ。皿。」と皿洗いまでもおしつけられた。
はぁ〜と深いため息をついて、千夏はガシャガシャと洗い出す。
その間も、頭の中はごちゃごちゃだった。自分でも、混乱しそうだ。     ―――パリーン
千夏が“あぁっ!やばいっ!!”と思ったらすぐ、母がくるりとこっちをむいて、一言                          「自分で片付けてよね。」と言った。「うん・・・分かってるよ。」
        
そして、片付けを始めた千夏は、
またひとつ、大きなため息をついた。
第2話
 「っ・・・。やりにくいなぁ〜。」ちーは今必死にバンソウコウを巻いているところだ。
ちーは、まーちゃんに比べると、ものすっごく不器用だ。
そう、母のワイングラスを割ってしまった片付けをしていて、指を切ってしまったのだ。
なんとか巻けたものの、シワがよって、くしゃくしゃで・・・。今にも取れてしまいそうだ。
こんな時、きっとまーちゃんだったら簡単にできるんだろうな。まーちゃんは、今日は塾らしい。
最近は、ほとんど毎日「カキコウシュウ」というので塾に通っているらしいが、
もともと成績の悪いちーには、あんまり関係ないかなー。と思った。
成績のことでは、よく母に怒られる。それも、普通のお母さん達みたいに、
「成績落ちたでしょう!」とか、「塾に行きなさいよ!」とかは言わない。
30点だったテストを見せると、すごい目でにらんできて、
「あたしはこんなバカな子、産んだのね・・・」とか「アタシは、アンタがどうなっても知ったこっちゃないわ。」と言ったり・・・。ちーをけなす言い方をする。
まーちゃんにそのことを言ってみると、「それはもうすこし言い方があるよね〜っ!!うん、たしかに
これは言い過ぎよっ!!」と、なぜかまーちゃんが怒っていた。
    はあぁーっ。最近、なにもかもがしんどい。自分でも暗いのが分かる。
まーちゃんに心配はかけたくない。だから、そのときだけ笑顔でいることにした。
――プルルルッ―ルルルル―。「・・・。」母は無言だ。おそらく電話を取れ、って事なんだろう。
こんなのは、いつもの事だ。  「もしもし、三枝ですが。」「あ・・・、もし、もし。上島です。
ちーちゃん?まさみです。ゴメン突然だけど、今日会えるかな。」「・・・。」
おかしい・・・、なんかいつものまーちゃんと違うのだ。なにか、違うのだ。
「ちー?」「あ、いいよ。でもまーちゃん、塾、大丈夫なの?」
「え、あ、今日はお休み。」「お休み?」「塾の先生があの、用事があるらしくって。」
「あ、そうなんだ。」でもたしか、昨日今が一番大切なときだって言ってなかったっけ。
テストがもうすぐだから・・・って。
「じゃあ、ウサギ公園で・・・。いい?ちー。」

「うん、いいよ。」「じゃ、じゃあね・・・。」   ―――ツーッ、ツーッ、ツーッ。
  やはり、おかしい・・・。だって、まーちゃんは、結構おしゃべりなのだ。
いつもなら、塾のことだとか、まーちゃんのペットのミー(三毛猫)の話だとか、いろいろとしてきて、
ひどいときには、1時間ぐらいかかってしまったりするのだ。
今日は・・・。5分もかからなかったぐらいだ。

   何かあったのかな・・・。
ちーは、不安な気持ちで家を後にした。
第3話
 ―――ハァ、ハァ、ハァ・・・。今、ちーは必死で自転車をこいでいる。ウサギ公園は、
ウサギ公園は、校区のはしっこだ。だから、人も結構少ない。
でも、どうしてそんなところに呼び出したんだろう・・・?
  急いで駆けつけると、そこにはまーちゃんの姿があった。
「ごめん、おそくなって・・・。」おずおずとちーが話しかけるとまさみはいきなり、
「もうアンタとは遊べないっ!!!」と叫んだ。
 「・・・!?」ちーは、急にそんなことを言われ、頭が真っ白になった。
どうやら、まさみはこれを伝えるため、わざとこのウサギ公園に呼んだんだろう。
「まぁ、たぶんあなたのお母さんから、このことは聞いているでしょうけど・・・。」
―――そんなの、聞いたことがない。あいつ(母)め・・・!!
「だ、か、ら。私は、アンタの友達じゃあ、なくなるのっ!!!」「そんな―――!」
正美は、「じゃあね。さ、え、ぐ、ささん。」というと、まさみは自転車に乗った。わけがわからなかった。
「まーちゃん!待って、待ってよっ!!」「なによ?なぁんか用?」いやみっぽく、まさみが言った。
―バシッ―まさみをたたく。  「ったぁぁ〜・・・」よくもやったわねという風に、まさみもやり返す。
―――バシッ―そのとき、千夏のめがねがちゅうにとんだ。――パリィーン。
あっ、メガネが・・・!どうしよう。とまどっているちーをおいて、まさみは逃げようとした。
“大変なことをしてしまった。いくら千夏にたたかれたとはいえ、たたき返して、めがねを割ってしまった!!”逃げようとした、そのまさみの肩を、ちーはグイッとつかんだ。
「待ってよ・・・。待ちなよ、まーちゃんっ!」「何よ!」
「ずるい・・・。そんなのってずるいよまーちゃん!」メガネがないうえに、涙でぼやけてすごく見えにくい。「何にも話さずにただ“友達じゃない”って・・・そんなのずるい!!」「ずるくなんかない!!」
ちーが言い終えないうちに、まさみが言った。「ずるくなんか・・・。」「言ってよ・・・どうしたの?」
「私・・・。お父さんの仕事の都合でアメリカに行くらしいの―――。」
「アメリカ!?」「そう・・・。」
「私ね、正直、コワかったんだ。“サヨナラ”っていうのが、すっごい、こわかったんだ。」
「それで、ちーがアタシのこと嫌いになれば、自然に別れられるんじゃないかなって・・・。」
そうだったんだね・・・。でもやっぱり、急に“アメリカに転校するの”って言われたら、絶対パニックになっていたにちがいない。ちょっと、まさみをたたいてしまったことを後悔した。
「たたいちゃって、ゴメンね・・・。」と言うと、「また会える、ううん。また会おう。絶対に。」とちかった。
  帰り道、涙が止まらず、メガネもないので、何度か電柱にぶつかりそうになったり、人に当たりそうになったりした。ふらふらだった。体も、心も・・・。

      また大切な宝物をひとつ失ったような気がして、
                                    千夏は、怖くなった。
  第4話
「お母さん。」「何、今ちょっと忙しいのよ、後にして。」
うそつけ、紅茶を飲みながら、雑誌、読んでるじゃないの―――。
「まーちゃん、アメリカに行くんでしょ。」  母は、ちょっと考えて、
「そうだったっけね。でもあなた、そんな事より、メガネ、ないじゃない。私は知りませんからね。」
ショックだった。もちろん、メガネを買ってもらえないという事も、どうしようと思ったけれど、
母がまーちゃんのことを“そんな事”って言ったのがムカッときた。
母とは、ずっと気まずい状態だ。今日だってグチを言っていた。母に近づくとお酒のにおいがする。
―――ピンポーン―。だれだろう?ガチャっと、ドアを開けるとおばあちゃんがいた。
「あれまぁ、ちーちゃん。大きくなったわねぇ〜。」「おばあちゃん、こんにちは!」
おばあちゃんは、いつもいろいろなおみやげを持ってきてくれる。
だけど、お母さんはなぜか、おばあちゃんが嫌いだ。なんでかな?と思うけど、たぶん
お父さん側のおばあちゃんだからだと思う。母の方は、ちーが10歳のときに、亡くなった。
さすがに母は泣いているのかなと思ったのだが、母はまったく、涙ひとつも見せなかった。
たぶん、母は、悲しいときほど冷静になるんだ・・・。
そして、さみしくならないよう、泣かないんだ。泣いたら、切なくなるから。涙が、止まらなくなるから。
きっと母だって悲しいのだ。自分の感情を自分でとめてしまっているのだ。
まぁ、これはあくまでちーの推理だが・・・。
 「ちょっと出かけてくる。」そういって母は、家を出た。
「あれまァ、せっかく来たのにねぇ。まあ、ちょうどいいわ。」  ちょうどいい?
「おばあちゃん、めずらしいね。今日は、どうしたの?」
「きょうはねぇ、ちーちゃんと、お話しようと思って。」 ふぅーん。何だろ?
「でも今から話すことは、みつえ(母)さんには言わないでよ。」「うん。分かった。」
「あのねぇ、ちょっと言いにくいけど、あなたを産みたいってね、言ったのはただひろ(父)だったの。」
えっ・・・?母は、私なんて産みたくなかったの?母はっ・・・!
怒りがこみあげてきた。ちーは、涙が出そうなのを、必死にこらえながら話を聞いている。
おばあちゃんは気にせず、続けている。悲しいよ、まーちゃん――お父さん―――!!
おばあちゃん、やめて、やめてよっ!!
「みつえさんはねぇ、反対したそうなのよぉ!嫌よね、ちーちゃん。」
ちょっと怒った声で話している。はー、おばあちゃんは、母の事、嫌っているんだなー。ということが、
おばあちゃんの話の内容から分かった。
「ちーちゃん?」私は適当に、「うん、たしかに悪いよね。」だとか、
「やっぱり、そうだよね。」とか言って、ごまかした。

           はぁ、“人間”って、ややこしい関係があるんだなーと
                                  改めて分かった。
第5話
 おばあちゃんが話してくれた話の内容は、大体こんな感じだったと思う。
お母さんは、別に子供がほしくなかった。が、お父さんは子供好きだったので、
すごくほしかった。お父さんは、母が子供をどうしても産みたくないのなら、離婚してもいいとまで言ったそうだ。ちーは、そこまでお父さんに愛してもらっていたんだと思うと、心が温かくなった。
 それで、お母さんはどうしたかというと、いやいやOKした―――。
その時は、まだお父さんのことが好きだったそうだ。だからしかたなくっていう感じだった。
でも、お父さんは私がかわいくってかわいくってしかたがなく、あまり母に接する時間がなくなった。
母は・・・寂しくなったんだろうか―――。そこからどんどん嫌いになっていった・・・。
私とお父さんのことを―――。 おばあちゃんが帰ってから、30分ぐらいして、母が帰ってきた。
次の日、私はうわさされた。といっても私のことではなく、母の事だ。夏休みの全校登校日、
私の学年1意地悪で有名な、小川カオルがこっちに来た。
 小川カオル・・・あの子のいうことには逆らえない。もし逆らうと・・・とんでもないことになる。
怖そうに見えて、カオルは、お嬢様なのだ。ちーは、クラスでも、あまり目立たないほうだったから、
まだ、目はつけられていなかった。     だが・・・。
「さ、え、ぐ、ささぁ〜ん!!」うわっ、嫌な声がしたなと思うと、やはり、カオルだった。
「ねぇねぇ、昨日あなたのお母様、このミライちゃんとアイリちゃんが見かけたんですの。」
え?お母さん!?昨日はたしかに、おばあちゃんを避けようとして、外に出かけたが・・・。
どこに行ったかは、ちーは知らなかった。
「ウサギ公園にいましたのよ。」ミライが言った。「それでね、何か、ブツブツと独り言を言っていらっしゃったの。」「それで、どうしたの?」あまり逆らわぬよう、気をつけて話す。
ついうっかり、“うざい”とか“バカ”だとか言ってしまったら、終わりだ。
集団イジメが始まってしまう。現に、それでいじめを受けた子供達が、今のカオルの手下だ。
たぶんカオルは、「私に従うのなら、許してあげるわ。」とでも言ったのだろう。手下たちは、
荷物もちや宿題を教えたりと、大変そうだ。いつもカオルの周りにいる子達は、悪影響されている。
前は、頭がよくてとても有名だった、高井チコも、今ではグループの仲間入りで、
テストの平均も20点ほど悪くなり、ワルの有名になってしまった。
 「それでね、そぉっと近づいて、聞いてみたら、あんな人、結婚しなきゃよかった。
あんな子、産まなきゃよかったですってぇ〜!」カオルはクラス中に聞こえるよう、わざと大きい声で言った。
「あんな人って、あなたの亡くなったお父様!?そして、あんな子って、あなたぁぁ〜〜!!?」
みんなが笑い出す。教室全体に、笑い声が響く。誰一人、止めようとしない。
ちーは、やりきれない思いで、カオルのほおをひっぱたいた。―――バシィッ――
「もう、もういいかげんにしてっ!!人の事情も知らないくせに!!」

           目の前は、もう涙で、何がなんだか
                           分からなくなっていた。
     第6話 
  カオルがキンッキンに高い声を張り上げて叫んだ。
「まァ〜っ!あなた!!!よくもやってくれたわね〜〜!」
チコが、こっちをギロリとにらんで言う。「アンタ・・・覚えてなさいよ―――」
低く、暗い声だった。
  それから、少しずつ、私が言っていた集団イジメが始まっていった。
実は、前にもいじめられそうになったことがあった。テストの点が悪くて、からかわれたのだ。
だた、その時は、まーちゃんがそっとフォローをしてくれたので、なんとかおさまったのだ。
でも、今は・・・。あの時みたいにフォローしてくれる友達は、もういない。
「こわい・・・。」どうやって切り抜けよう――。1人じゃあ、無理に近い。誰か、味方を作らないと。
それも、カオルの手下のほうが、都合がいいと思う。だれがいいだろうか。
ミライは、がんこだし、アイリはすぐ泣くし、理屈っぽいし、ヒカルは裏切り者でうそつきだし。
でもカオルのグループは、カオルとミライ、アイリ、それからヒカル――。あと―――
  チコ・・・。無理だろうか。でもさっきの4人の中だったら、まだチコの方がいけそうだ。
でも、もし逆効果でもっといじめられたらどうしよう!
だまっていても、やられるんだ。じゃあ、ほんの少しの可能性でもいい。チャレンジしてみよう!
  帰り、チコは1人で、とぼとぼと帰っていた。今がチャンスだ!!
「あの、チコちゃん・・・。」「何よ!気安く呼ばないでちょうだいっ!!」なんで?
私がたたいたのは、カオルなのに?何でチコが怒っているの!?
「アンタ を見てるとイライラするっ!!」母と同じ事を言っている。
「あの、ごめんなさい。」自分で、どこを直したらいいのか分からない。―思い切って聞いてみよう。
それで・・・それで、もしかしたら、お母さんのことも直せるかもしれない・・・。
「チコ・・・さん。私って、どこが悪いんですか?教えて下さい!!」「全部よ!」全・・・部!?
「アンタの何もかもが嫌なのよ!そばにいるだけでウザくなってくるの。ついてこないでっ!」
「おねがい!おねがい!もう、つきまとわないよ・・・教えてくれたら。」
「嫌よ!」「お・・・しえて!!」知らない間に、泣きじゃくっていた。
「ちょ、ちょっと!?な、泣かないでよ!そんなところで・・・。私が泣かしたみたいに思われるわ!」
そうして、チコは、私をウサギ公園に連れて行った。ウサギ公園は、何かと縁がある。
「お・・・しえてください。」「私、正直うらやましかったんだー。」いきなりあっさりと、チコが言った。
「何を?私なんて、ぜんっぜんうらやましがられることなんてないよ。」目を伏せて、ちーは言った。
これはけんきょに言ったのではない。本当のことだ。
  大切なモノを2つ失い、最近では、イジメも始まりそうなのだ。
「そう。あなたは強いの・・・。」「強い?」

    「そう。私なんかにはない、心の強さが―――。」
第7話
「心の強さ・・・?」「うん、アンタ、どんだけつらい目にあってもがんばってんじゃん。」
「そうなのかな?」よく分からない。
「どうしたら、アンタみたいに強くなれんだろうなーって、考えてみたんだ。―――だけど。分からなかったんだ。ほーんと、あんたって強いよ。」
「だってまーちゃんがフォローしてくれてたし・・・。」「じゃあ、今は?」「・・・。」
だれもいない。「ね。まァ、親友、心からたよれる友達がいるっていうのも、あたしにとってはすっごく、
うらやましいことなんだけどね。」 そうか――あの、カオルのグループは、親友じゃあなかったんだ。
そーうだ!いい事を思いついた!私がチコちゃんの友達になればいいのだ。
でも、もしかしたらこれは、全部カオルのわなかもしれない・・・。手下たちを使ったわな・・・。
 いや。そんなことない。そんなハズない。だって、チコは素になって、うわさされてもおかしくない
様な事を、嫌いな私に言った。相談みたいな感じで。
 カオルも、もしかしたらそんな風なのかもしれない・・・。“人”って、ややこしいし、よく分からないな〜と思った。カオルも、素になって、心を開いてくれれば・・・。
何もとりつかれていない、真っ白な心で、話し合えるだろうか・・・。
  「ねぇ、チコさん!友達になろうよ!私と。」ダメモトで、軽く言った。
「いやぁよォ、あんたみたいな・・・。」 あー、だめか。やっぱり―――。
「と、言いたいところだけど。実は今、私あるプロジェクトを考えてるのよ・・・。」――くっくっくっ。
「なにがおかしいの!?」 すっごく笑えた。プロジェクトだって。
笑いをこらえながら、ちーは言った。「そ、それでぇ。どんなもんなんですか?そのプロジェクト。」
「教えてほしい?」「うん。」「じゃあ、しかたない。教えてあげてもいいわ!」
チコが考えた、その計画とは、結構大変そうで、大掛かりなものだった。
テーマは、“カオルにふくしゅうする”ということ。方法は、ミライ、アイリ、ヒカルを仲間にすること。
それができれば、もうこっちのものだ。みんなでカオルを無視したり、シカトしたりするのだ。
でもそこはまだ具体的には決まっていないようだった。ちーは、どんなおしおきをしようか・・・。
と考えていた。すっごく、おもしろそうな計画だな、と思った。
  ただ、失敗する可能性は高い。失敗すると、だいぶヤバイ。失敗するケースは、こんなのだろう。
@ 仲間の誰かが裏切る。
A カオルに新しい仲間ができる。
B 誰か、友達になれなかった。
など、いろんなケースが考えられる。

       せみが鳴く暑い夏。私の周りで何かが動き始めた
                              ような気がした・・・・。
第8話
「誰からいこうか。」今、2人は作戦会議中だ。「うぅ〜〜ん。」
「まず、1番てごわそうなのは、アイリだよね。」 「たぶんね。」
「じゃあさ、裏切りもんのヒカルは、ここは同じメンバーのチコ様が行かれたほうがよろしいかと。」
「えーっ。――分かったわよ。いきますよ。じゃあ、アンタはその持ち前の心で、ミライを頼むわよ。」
「O、K!」「アイリは最後に2人で行く。よし、こんなかんじでいいんじゃん?」
「うん。じゃあ・・・。」   「作戦開始ぃ!!!」
「ねぇ、ヒカル。ちょお〜っと、こっち来て。」「何よ。」そうして、チコは、ミライを中庭へ呼び出した。
「カオルってさァ、ちょーっと、ちょっとだよ?うざくなーい?」軽―く話題を持ちかける。
これは、作戦会議で練習した。「ま、たしかにね。こきつかわれるし、宿題教えろってしつこいし。
うざいっちゃあ、うざいかもね。」よおし、しめた。チコは一気に話し出した。
「あのね・・・。私、今“カオルへの復しゅうプロジェクト”ってのを考えてるんだァ。」
チコはそのプロジェクの内容、方法を、簡単に分かりやすく説明した。
「ふううぅーん。ソレ、なかなかおもしろそうで、イイ企画じゃないの。」
「でっしょぉ〜!でもね、そのメンバーは今んとこ私と千夏しかいないわけよお・・・。」
「よっし。私、入ってあげよう!」「ホーント〜!?」「もちろんよっ!!」
「裏切ったら、みんなで今度は“ヒカル無視プロジェクト”をたくらむかもよ・・・!?」
「ひえええええっ!」わざとっぽく、ヒカルが言った。
  「思った通り、ヒカルは簡単だったわ。」「ちゃんと念おした?」「あたりまえよ。絶対裏切るもん。」
「よおーし!次は私の番ね!待ってなさいよ、ミ、ラ、イちゃーんっ!!」
  「ミライさーん。」「何ですの、今ちょっとご用事がありまして・・・。」そうだった。
この子も、お金持ちのお嬢さんなんだよね。「すみません。ちょっとお時間いただけますでしょうか。」
「ちょっと、かしこいミライさんに、ご相談がございまして・・・。」かしこいに力を入れた。
それに、なんだかバカていねいな言い方になってしまう。
「少しだけならいいですけど・・・。何なのです、また。急に。」「ま、いろいろね。」
  ろうかのすみっこで、ヒソヒソと計画を説明した。たまにミライは、
「ソレって、どういう風になさるの?」とか、「失敗はしませんの?」とか、いろいろ聞いてきたけど、
“みんなが協力してくれれば、きっとだいじょうぶです。それには、あなたの協力も必要なんです”
でごまかした。すごい時間がかかったが、最後には向こうもあきらめたのか、
「まっ、しかたがありませんわ。私もよろしくてよ。」と、承知してくれた。
    「ふう〜。」「よくやったじゃないの、千夏。」「まーぁねぇ〜!」
「よおーし、それでは、最後の敵を倒しに行くわよ!」 「お〜〜っ!!」

 みんなと友達になれるカナ?そういえば、どこが悪いか、チコにまだ聞いていなかったな。
             まあいいや。作戦がうまくいった後、聞いてみよっと!
第9話
  「アイリぃ。」「何よ。」「ちょっとお話が・・・。」むすっとして、アイリが言う。
「ややこしい。早く言いなさいよォ。」ちーはチコと2人で、できるだけ分かりやすく説明した。が、
「ふうぅ〜ん。アンタ達って、カオル様の事、嫌いなんだぁ〜。」「どういう事よ。」憎たらしい声でアイリが叫んだ。「言いつけてやろぉ〜っと。」「ちょっと、やめてよねっ!!!」
チコと、アイリが言い合いを始めた。「ほんとに言っちゃうから!ざまーみろっ!!」
「そんな事言っていいと思ってんの!?」「もちろん。」「はーん。じゃあ、前の事、カオルにばらしてもいいのかな?」どんどん声が大きくなる。計画、ばれちゃうよと思いながら、ちーが聞いていると・・・。
「なにが、“ばらしちゃう”ですの?」2人は、びっくりして後ろを向いた。
「カ、カオル様っ!!」「や、やばっ・・・、カオル!?」アイリがすっと前に出る。
「あの、コイツらカオル様を――。」その“前の事”をばらしてもいいのかという目で、チコがにらむ。
「どうしたのよ、アイリ。」「い、いやカオル様。何にも。なあーんにもございませぇ〜ん!」
おちゃらけてアイリが言うと、カオルは何も言わずに向こうへ行った。
 はぁぁ〜っ。危なかった。計画を実行する前に、もしカオルに知れたら・・・。オシマイだ。
「あ、そうだ。さっきのプロジェクトの話だけど、アイリ、入ってよぉ。」
ふっと笑ってアイリが言った。「今、みんなを呼んで具体的に何をするか、考えましょうよ。」
「え?ってことは、アイリさん・・・!?」「入るわよ、だって、あまりにもしつこかったんだもん。」
「よおしっ!じゃあメンバーを連れてくるね!」「OK〜。」
  あれもいい、これもいいとすごく話がはずんだ。「ま、ず、は無視よね。」「シカトもいいですわ。」
「毎日私達の荷物を持つなら許すとかどう?」「あ、いいね。それ!」
「でっしょ〜!」「きっとビビるよ!」「いい気味だ〜〜〜!!!」
  実行日は、1週間後に決めた。
その夜、まーちゃんに手紙を書いた。

――実行1日前―――  「あれ、手紙だ」まーちゃんからだ。
ええっ!?やめたほうがいい!?そんな・・・。
まーちゃんっ!

  そうか・・・。そうだよね。おんなじ事なんだよね。
「はは・・・はははは・・・。」レベル、一緒じゃない。ウザイとか言っといて・・・。
自分達も今から、同じことをしようとしてるじゃん・・・。
なんだか私、    ―――バカみたい―――。
 次の日、明るく私が言った。「みんなっ、このプロジェクト、中止しよっ!」
まず、1番最初に、文句を言ったのはアイリだった。「ええええええええ〜〜っ!?アンタ、本気ぃ!!?せっかく私、入ってあげたのに!」
「そうですわ。そんな、今頃・・・。」「エエーっ。せっかくいろいろ考えたのにぃ〜ねぇ、チコ。」 
「・・・。」チコはだまっている。「チコ?」
「わ、私もっ。千夏の言うとおりだと思うっ!」
「2人で考えたプロジェクトなのに、2人でやめるなんて、だめだと思ってる・・・。けど――」
「こわくなったんですの?なら大丈夫ですわ。しっかりものの、ヒカルさんもいらっしゃるからね・・。」
「えーっ、しっかりしてるかぁぁ〜っ?」「アイリめ〜!よくもいってくれたわねー!!」
そう言いながら、3人とも笑っている。

       きっとこの子達なら・・・この仲間なら、
                      どんなことでも分かり合える――― 
第10話
「さんざんカオルの事けなしといてさ、おんなじ様な事してたんじゃあ、おかしいよ。」
「う〜ん・・・。確かにそーだけどぉ・・・。」みんなは首をかしげて私を見ている。
「だってさ、もし自分1人だけで、仲間はずれにされたり、荷物持ちしなきゃいけなかったりしたら、
すっごい嫌だと思うんだー。私だったら、泣いちゃうな、きっと。」
「私も泣いちゃうかもしんなーい!!」ぶりっこみたいに、アイリが言った。
「たしかにね。まあ、私は泣いたりしませんけど。」1人、うーんとうなっているのはヒカルだ。やばい。
なんとか、説得させなきゃ。こしょこしょ話で、ちーは、ヒカルを説得させる方法をみんなに伝えた。
「ヒカル!あんたそんな事も分かんないの!あたしの友達失格ね!!」
「もうしーらないっと。あしたから荷物持ちだよ、ヒカルは。」
「ちょ、ちょっと、アイリ!?千夏!?ミライ!?急にどうしちゃったのよ!私たち、友達でしょう?
なによ、急に、荷物持ちとか友達失格とか!!」
3人は、笑い出す。ヒカルは、“何、何?”という風に、目を大きく開けている。
「ね、ヒカル。そうでしょう?今、わけ分かんなかったよね?今から私達、そんな事をカオルにしようとしてたんだよ?」     「あ、そーか。なぁーんだぁ。びっくりした〜〜!!」
「でもそのおかげで分かったでしょう?私達が止めよって言ったこと。」「うん。だけどさ、やめてどーすんの?はい、さようならってわけには、行かないでしょ?」「それなのよねえ・・・。問題は。」
「そのままで、ほおっておきます?カオルさんには普通に接して。」
「う〜ん・・・。」確かにそのほうが楽かもしれない。自分には4人も味方がいるし、話し合ってカオルが“そうだね”と、すんなり受け入れるとも、思わない。
だけど、話すなら今よね。―――今しかないんだよね。立ち止まったら、そこまでなのよね。
私はあの日、あの時すっごい勇気がいったけど、チコに友達になろうと言った。
あの日から、楽しくなった。なにもかもが。学校も、友達関係も、放課後も。
私はあの時から、変われたんだ。少しずつだけど・・・。大切なことを学んでいったと、自分でも思う。
それは、あのチャレンジがあったから。――そうだよ、やるだけやってみよ!やらなきゃわかんない事だってあるんだ!!ちーの目は、キラキラと輝いていた。
 結局、みんなで言う事に決めたんだ!カオルに。私がチコにいったように・・・、
“ねぇカオル!友達になろうよ”って・・・。
―――ココロ、開いてくれるカナ?
「カオル〜!」だだだだだ〜っと、みんなが走り寄る。「何よ。そんな大勢で。」
カオルは“私をイジメにきたんでしょ”という言葉はつぐんだ。
――そう。カオルは知っていたのだ。何もかもを。チコとちーが、プロジェクトを提案した時から・・・。
「友達になろーよっ!」 そう。ソレはみんなの本音だったのだ。今頃気づいたのだ。
本当はみんな、カオルと仲良くしたかったのだ。本当の、真の友達になってほしかった―――。
「何よアンタ達・・・。」ちがったの?私、復しゅうされるんじゃ・・・なかったの?
「どうせ、仕返しにきたんでしょう!私は知ってたのよっ!!」―――カオル――!
「知ってたんだ・・・。ごめん。でも、これだけはうそじゃないよ。カオル!本当に友達になりたいの!」
「い・・・。いいの?みんな!さんざんアンタ達をいじめて、苦しめたちょう本人、小川カオルよ・・・?」
「もちろん、それに、私達だっておんなじことしようとしてたんだから、お互い様よ。」
うれしいね。ココロが通じ合うって、すっごく嬉しい事だったんだね。
今まで・・・。知らなかったよ―――。
「おとうさーん!まーちゃーん!ちーはねぇ、今すごく幸せだよーーーっ!!」と、心の中で叫びたい気分だった。
       ――今日は、チコと遊ぶ約束をしている。 そうだっ!すっかり聞くの忘れてた!!
「ねー、ね。前の続きだけどさァ、私って、どこが悪いの!?」
「あ、そうね。―――うーん、難しいわぇ〜。でもなんでそんなに知りたいのよ。」
「まぁ、母親といろいろとね。」気を使ってくれたのか、チコはそれ以上質問しなかった。
「・・・そうねぇ、悪い所っていうと、悩んじゃうけど、アドバイスぐらいならないこともない。かな?」
「何、何?」一刻も早く聞きたいという風に、せかしてちーは言った。
「アンタが心からお母さんに言ってあげればいいんじゃな〜い?」
「何を?」ふふん。と言ってから大声でチコは教えてくれたんだ。
「それはねぇ、“お母さん、大好きだよ!いい家族になろうね〜!”ってさ、言ってあげなよっ!」
「ふふっ。分かった!チコ、ありがとうね。さっそく今から言ってくるわねぇ〜☆」
走りながら、ちーは、思い出す。
そうだよ、そういえば私、そんなの言ったことなかったよ・・・。いつも、母とは距離を置いて話してきたよ。なんだか、―――怖かったから―――。
「千夏なら大丈夫よ!がんばって!」
「うん!ほんと、ありがと。チコ!!」 感謝しなくっちゃね!
――タッタッタッタッ―――

     ちーは、けんめいに走り出す。大地を一歩一歩ふみしめながら・・・。
                                     お母さん!待ってて――――!

                                     天国への道 〜ロード〜   完

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<いじめ>「大人」の職場でも深刻 労働相談の2割近くに
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。突然の訪問もうしわけありませんでした。
なっちさんの小説、読ませて頂きました。
いじめ、いじめられの心境がよく感じられた気がします。
それに、一番大切なのは、まず話してみる事。そうなんですよね。
自分にも状況は異なりますが、この文章を読んで、母に話してみようって気持ちになりました。
とても楽しい時間をありがとうございました。
それでは、失礼いたします。執筆、これからも頑張って下さいね♪
姫路つかさ
2006/12/05 22:21

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小説第一弾〜(●^o^●) なっちののほほん小説★/BIGLOBEウェブリブログ
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